PTSD:いじめ損賠訴訟 加賀市が控訴断念 /石川

PTSD:いじめ損賠訴訟 加賀市が控訴断念 /石川
毎日新聞 2012年11月22日(木)17時16分配信

 加賀市の小学校に通っていた女児(12)が、複数の同級生から受けたいじめにより心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして損害賠償を求めた訴訟で、同市や保護者に慰謝料などの支払いを命じた金沢地裁小松支部判決について、市は21日、控訴を断念したと発表した。
 この日、同市教委は記者会見をして方針を説明した。原告や同級生の児童が思春期を迎えていることを考慮し「裁判を継続すれば、過度な精神的負担を与えかねない」などの理由で控訴を見送ったとした。
 一方、判決が「担任が適切な処置を取らなかったのは不作為で違法」と、学校側の責任を指摘した点について、石橋雅之委員長は会見で「真摯に受け止め、さらに指導を徹底する」と述べた。今後、有識者を含めた「教育体制検討会」を新設し、いじめ問題などに取り組むという。
 今月9日の判決は、女児が小学1、2年だった07年〜08年に同級生からいじめを受け、PTSDを発症したとした。また、担任教師は08年5月ごろ、女児の母親からの相談を受けていじめを把握したが、防止のための適切な措置を取らなかったと指摘。市や同級生3人の保護者6人に計約700万円の支払いを命じた。【丹下友紀子】
11月22日朝刊

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